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【はじめの一歩】Round1511 滾る千堂 ”一撃必中、相打ち上等!!”

はじめの一歩
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一発被弾すれば⋯

両手を大きく拡げ、真正面からリカルド・マルチネスを睨みつける千堂武士。その姿は、まるで虎が獲物を威嚇するかのようだった。

しかし、それは単なる挑発ではない。グローブで視界を塞がず、あえて無防備をさらすことで、リカルドのカウンターを誘い、そこから一撃を奪うための覚悟の構えだった。


千堂のボクシングは、理詰めより本能に根ざしている。打たせてから打つ、相打ち上等の玉砕戦法。

理論上、ダメージ効率も勝率も低いことは百も承知だ。それでも彼は退かない。危険を理解した上で、前に出る。それが千堂武士の習性であり、誇りでもある。


試合前、宮田が語った「100回やれば一度は勝てるかもしれない」という言葉が脳裏をよぎる。

千堂の拳には、その“たった一度”を引き寄せる爆発力がある。一発当てれば、すべてが変わる。観客席に満ちるのは、理屈ではなく、その可能性に賭ける歓声だった。


鷹村も即座に千堂の狙いを見抜き、そして一歩もまた、大粒の汗を浮かべながら、その背中を焼き付ける。

 

勝算の薄さを承知で挑む姿。それでもなお、前に進む闘志。千堂武士は、この瞬間も、自らの本能と習性に従い、世界最強に牙を剥いていた。