本命なきG1リーグ戦
本命不在、大混戦――そんな言葉がこれほど似合うG1が、かつてあっただろうか。
2025年、G1CLIMAX35。AブロックもBブロックも、絶対的王者や前年度覇者でさえ次々と星を落とし、気づけば勝敗表は大渋滞。
毎大会ごとに勢力図が変わり、誰が抜け出してもおかしくないサバイバルが続いている。
そんな中、8月5日大阪大会で特に注目してるのが、Bブロック YOSHI-HASHI vs KONOSUKE TAKESIHITA戦だ。
YOSHI-HASHIは、今大会、序盤から快調な滑り出しを見せ、短い試合時間ながら連勝を重ねて一時はリーグ首位にも立ち、出場枠決定戦からG1の主役争いに堂々と加わっているのだ。
【“明日”開催!】
『#G1CLIMAX35』
8月5日 (火)大阪・インテックス大阪 5号館[Bブロック公式戦]
・メインは鷹木vsザック!
・ファンタズモvsモロニー!
・オーカーンvs成田!
・YOSHI-HASHIvsTAKESHITA!※ロイヤルシート(最前列)は完売!
※チケット好評発売中!
⇒https://t.co/9XNT9oOxMN pic.twitter.com/PDaq9FafL6— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) August 4, 2025
一方、対戦相手TAKESIHITAは、結果的にゲイブ・キッドを欠場に追い込むほどの苛烈なファイトスタイルで、「ジ・アルファ」の異名に恥じないインパクトをG1でも見せ続けている。
所属こそ新日本プロレスだが、その佇まいはまさに“半・外敵”。全身から滲む異質さは、リング上で対峙するだけで空気を一変させる。
だからこそ、この一戦が“G1の分水嶺”になる予感がしてならない。
そして、今このタイミングだからこそ、改めて思い出したい。YOSHI-HASHIがG1で最も輝いたあの試合、そうケニー・オメガ戦だ。
当時、新日本の中心に君臨していたケニー・オメガとYOSHI-HASHIとの一戦は、誰もが「結果は見えている」と思っていた。
しかし、その予想を裏切り、YOSHI-HASHIは王者を相手に真っ向勝負を展開し、最後は見事に勝利をもぎ取り、アップセットを起こし、試合後のインタビューでYOSHI-HASHI史上、最大の名言を残した。
「物事が変わるのは一瞬だ!」
あの言葉は、彼のキャリアとファンの心に深く刻まれており、あの勝利を境に、YOSHI-HASHIは“挑戦者”から“生き残る選手”へと変貌を遂げたのだ。
今このG1において、YOSHI-HASHIにとっての「次の一瞬」は、どこにあるのか。
それが、まさにこのTAKESHITA戦かもしれない。
ケニー戦が彼の分岐点だったように、今大会でもう一度、あの“変化の一瞬”を自らの手で掴めるかどうか。
AEW TAKESHITAを相手に、YOSHI-HASHIがヘッドハンターとしての本領を発揮し勝利をもぎ取ることができれば、あのケニー戦を超える“G1ベストバウトになるのではないか。
何よりもこの勝利は、Bブロック突破に向けて大きな一手となるだろう。
YOSHI-HASHIは、華やかなキャリアを歩んできたレスラーではない。だが、だからこそ一つ一つの勝利が、言葉では語り尽くせないほどの価値を持っている。
G1という真夏の死闘の中で、再び彼が残す名言は、果たしてどんな言葉だろうか。
「一瞬だけど、永遠に――」
ケニー・オメガ戦で生まれた伝説の続きを、今度はTAKESHITAという“壁”を乗り越えて刻む時が来た。
YOSHI-HASHIがその手で引き寄せる、次なる永遠の一瞬を見逃す訳にはいかない、あぁーーっ!
追記
YOSHI-HASHI負けはしたものの、TAKESHITAにレインメーカーオカダカズチカに近いものを見たようだ。
YOSHI-HASHI「“世界のTAKESHITA”だっけ?どことなくオカダとかぶるとこ、ちょっとあったよ。でも、オカダ・カズチカはもっともっとモンスターだから。(中略)俺はこんなところでは終わらねえからな。いいか、新日本プロレスのYOSHI-HASHIはこんなもんじゃねえからな」
全文https://t.co/fiwr7ba9GU pic.twitter.com/DNFMJZN5fj
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) August 5, 2025
しかし、それでも元CHAOSの同志 オカダカズチカの方がモンスターと話す、YOSHI-HASHIの夏も魂も終わらない!!