燃える闘魂・アントニオ猪木の闘病生活を密着取材
11月27日20時30分よりNHKBSプレミアムで、アントニオ猪木の特別番組が放送されます。
「燃える闘魂 ラストスタンド~アントニオ猪木 病床からのメッセージ」
YouTube で病に冒されているのを告白した時は非常に驚きを禁じ得ませんでした。
日本だけでなく世界中の人々の度肝を抜く闘いをしてきた燃える闘魂が・・・とてもやせ細ってしまった現実に声が出なかった。
それでもこれまでにも多くの逆境を跳ね返したファイティング スピリットで退院し、アントニオ猪木健在を見せてくれました。
番組では、入退院を繰り返しリハビリに励む猪木を密着取材、今迄の数多の名勝負をまじえながら、猪木のメッセージを伝えていく。
出演者には、弟子である藤波辰爾や藤原喜明、猪木の全盛期、引退試合を実況した古舘伊知郎。
そして、現在進行形の新日本プロレスのレスラーである棚橋弘至等が出演するようです。
BSプレミアムのため、視聴は限られますが 常にプロレス内日常だけでなく、世間へ訴えてきた”燃える闘魂”の姿が多くの人に勇気を、元気を与えてくれる筈です。
追記 感想
1時間30分に渡る番組を観て、個人的に、この番組はプロレスファン、往年のアントニオ猪木ファンが見る、見たい番組だなと思った。
勿論、病に苦しむ人や闘病生活を送られている方が猪木のリハビリ風景や病に伏しながらも頑張る姿勢から、勇気や元気をもらったり、励まされたりと素晴らしい番組です。
私は番組視聴前の先入観は、多分に悲壮感のある番組だろうなと考えていました。
でも、そういう部分は余り見せずに、アントニオ猪木の所縁のある人たちのインタビューや試合映像等、燃える闘魂ヒストリーが存分に見ることができる構成です。
それは制作プロデューサー兼ディレクターがプロレスラーの鈴木健三だからかもしれません。
ファンであれば札幌での有名な猪木問答時に健三が発した。
「僕には明るい未来が見えません!」が余りにも有名であり、その後もWWEに行ったり、”ビッチビチ”等、独自のレスラー像を築いてます。
YouTubeの映像から猪木が非常に苦しんでいたのは多くの人が知るところですし、番組としてエンターテイメントである必要もあるから猪木もそれを望んだのかもしれません。
私自身、アントニオ猪木の直撃世代ではないですが、プロレスファンたるもの猪木の試合は一度でも生観戦しないといけない!と思って、最後の最後、引退試合を東京ドームに観に行きました。
なので、番組も完全にイチプロレスファンの目線として見ました。
皇帝戦士との”プロレスの醍醐味を存分に見せた試合”
試合の映像や多くの写真から主に番組で紹介されたのは4試合。
日本武道館で行われた格闘技世界一決定戦
アントニオ猪木対モハメド・アリ
プロレス対空手 異種格闘技戦
アントニオ猪木対ウイリー・ウイリアムス
伝説の8.8横浜文化体育館 60分時間切れ引き分け
アントニオ猪木対藤波辰爾
そして、番組の中で繰り返し放送されたのが晩年の猪木が最も攻撃を受け、ファンがもうダメだ!と思った時に逆転勝利を上げた1996年1月4日の猪木 FINAL COUNTDOWNの中の一戦。
アントニオ猪木対ビッグ・バンベイダー
この試合の事は、番組内で棚橋弘至が詳しく話していますが、猪木の首が90度垂直に落ちた “戦慄の投げ放しジャーマン” は棚橋と同じように、猪木終わった!と思う程にそれはもうものスゴイ衝撃の一発です。
しかし、その技を喰らっても、あの超巨体でできるベイダーも凄いですが、正に圧殺と言えるムーンサルトプレスを受けても立ち上がり最後は腕を決めて逆転勝利した猪木。
思えば、猪木が初めてTPG(たけしプロレス軍団)の刺客としてベイダーと相対したときも攻められまくっての防戦一方でした。
そのビッグ・バンベイダーは、猪木よりも先に旅立っていますが、きっと “猪木さん、あなたはまだコッチへ来ちゃダメダヨ ” と言ってるのかもしれません。
アントニオ猪木の全盛期を実況席から盛り上げ、公私ともに親交がある古舘伊知郎の猪木とのエピソード。
アリ戦やペールワン戦でも帯同させた関節技の鬼 藤原喜明や、猪木を間近に見て政治家を志すきっかけにもなった馳浩から見たアントニオ猪木。
新日本プロレスの解説でもお馴染みの柴田惣一氏の猪木の永遠のライバルであり兄貴分でもあるジャイアント馬場とのエピソード等、ファンであればこんなに興味深い話はありません。
猪木が番組のはじめに話しています。
(苦しい闘病の中)普通であればもうギブアップですよね。
だけどファンはそれは許してくれないよ。
ファンだけでなくて自分自身が言い続けてきた “それ”が嘘にならないように(いつ何時誰の挑戦でも受ける)
出典引用:BSプレミアム 燃える闘魂 ラストスタンド~アントニオ猪木 病床からのメッセージ~
全ての誰も体験することのできない、あらゆる喜怒哀楽や艱難辛苦にたいして全てを体験することで見えるものがあるという、猪木のどこまでの前向きな闘魂に元気をもらいます。
番組の最後に、事務所で古舘伊知郎が差し入れたメロンを “美味い”と頬張る猪木さんにはグッとくるものがありました。
CMが無いので本当に90分という濃密なドキュメント番組であり、プロレス色が強いためなのかBSプレミアムという限られた視聴者しか見られないのは勿体ない気がする。
そのままでも良いですが、再構成してディレクターズカット版的な意味合いで地上波のNHKで放送してもいい素晴らしい番組だと思います。
燃える闘魂のラストスタンドから立ち上がる姿は、見る人の心に灯りを灯してくれます。