EVILの「暗闇王」たる所以とは
2025年、新日本プロレス夏の最強戦士決定戦「G1 CLIMAX 35」が目前に迫ってきました。
今年のG1は、全参加選手がA・Bブロックに分かれ、各ブロック10人ずつの総当たり戦を行います。
1人9試合を戦い、上位3選手が勝ち抜けて決勝トーナメントへと進出します。
その中でも、Aブロックには、新旧入り乱れた顔ぶれが揃い、混戦必至のこのブロックから、筆者が勝ち抜けを予想するのは、EVIL、デビッド・フィンレー、そして上村優也の3名です。
まず、EVILです。いまや新日本マットで最も“嫌われた男”とも言える彼ですが、だからこそ、勝ち上がるだけの背景と土壌があります。
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選手からの強引な要求により、G1開幕前に”優勝記念Tシャツ”を販売することが決定…!
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EVILといえば、現在はHOUSE OF TORTUREのリーダーとして暗躍。
試合では反則、乱入、暴挙の限りを尽くし、真っ向勝負からは一線を画してきました。
しかし、その“ダークサイドの統率力”こそ、EVILの最大の武器と言えるのではないでしょうか。
思い出してほしいのは、HOTに加入した面々が、一人も脱退していないという事実です。
プロレス界において、ユニットの裏切りや離脱は常にもかかわらず、HOUSE OF TORTUREは今日まで安定して活動を続けており、しかも新規加入希望者まで現れる始末です。
これは決して偶然ではなく、EVILのカリスマ性やリーダーとしての信頼の証と言えるのではないでしょうか。
加えて、EVILの現在の戦略スタイルは、まるでWWEの「ブラッドライン」におけるソロ・シコアの立ち位置と重なります。
どちらも、自らが圧倒的な力を見せるのではなく、仲間を最大限に活かして勝利をもぎ取るクレバーな存在。
あの手この手で、巧みに勝ち星を積み重ねていく様は非常に似通っており、今後の展開次第では、新日本と海外ストーリーのシンクロまでもが期待されます。
そのEVILが、今回のG1の舞台で誰かが言ってた「やっちゃえ、EVIL」的な活躍を見せる気がします。
サベージキングは沈黙から目覚めるか?
続いて、2人目の注目選手がデビッド・フィンレーです。
昨年、タマ・トンガとのシングルで、正に暴君として「サベージキング」との異名をとったフィンレーですが、ここ最近は不調が続き、その影が薄れつつあります。
かつての彼は、BULLET CLUBの新時代を切り開く旗手と目され、その凶暴さと荒々しさを武器に、一気にトップ戦線へと踊り出ました。
しかし今、リング上での説得力が減少し、口先だけのリーダー感が拭えないのも事実。今回のG1は、そんなフィンレーにとって“背水の陣”とも言える大一番です。
もし、今回も結果を残せず平凡な成績で終わってしまえば、WARDOGS内の主導権はゲイブ・キッドに奪われ、最悪の場合、新日本プロレスからの退団や海外転戦という選択肢も現実味を帯びてきます。
そんな崖っぷちのフィンレーだからこそ、ここで燃えないはずがありません。
彼の持つ、荒々しさとスピード、破壊力を今一度、リング上で爆発させる時が来たのです。
G1という大舞台は、こうした“沈黙の時間”を経てこそ輝く存在にこそ、最大限のスポットライトが当たります。フィンレーが今夏、かつてのサベージキングとして覚醒する瞬間が訪れるかもしれません。
新時代の“太陽戦士”、上村優也
そして、Aブロック最後の注目株が、「ヒートストーム」上村優也です。
2019年のヤングライオン時代から着実に実力を高め、LA道場を経ての凱旋。
そしていま、新日本の次世代を担う存在として、上村はその評価を不動のものとしつつあります。
彼の魅力は何と言っても、その“陽”のエネルギーです。真っ直ぐな闘志と爽やかなキャラクターは、かつての棚橋弘至や、昨年ブレイクした辻陽太を彷彿とさせます。
さらに、試合外でも慈善事業や地域活動に積極的に参加するなど、まさに“プロレスラーの理想像”を体現する存在です。
今回のG1では、かつての盟友である辻陽太とのリマッチや、棚橋との世代闘争、さらには元J4Gリーダー・タイチとの因縁の対決も控えており、その注目度は日を追うごとに高まっています。
【あと6日!】
『#G1CLIMAX35』開幕“2戦目”
7月20日 (日) 14:00~北海道・北海きたえーる
・メインは、ザックvsゲイブ!
・セミは、タイチvs上村!
・ファンタズモ vsTAKESHITA!辻vsEVILも実現!※良い席はお早めに!チケット好評発売中!
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上村にとって、今年のG1は「若手の挑戦」ではなく「王座戦線への入口」となります。強者たちがひしめくAブロックの中で、突き抜けた存在感を放ち、彼が新時代の中心へと一気に駆け上がる可能性は十分にあるでしょう。
Aブロックにはこの他にも、かつてのエース・棚橋弘至や、現在、無所属となった辻陽太、さらには敗者復活戦から勝ち上がったタイチなど、強豪がひしめいています。
EVILが率いるHOUSE OF TORTUREの存在感、デビッド・フィンレーの背水の巻き返し、そして上村優也という新時代の希望──。
果たして、夏の大一番「G1 CLIMAX 35」のAブロックを勝ち抜くのは誰なのか? そして、真の“最強戦士”となるのはどの男なのか、要注目です!!