ムタの世界観を中邑が取り込んだ
新日本や全日本、NOAHで築かれたグレートムタの歴史と、新日本プロレスとWWEで完成した中邑真輔の世界観のぶつかり合いからの融合。
そして、SHINSUKE NAKAMURAによって新しいヒストリーが紡がれたような試合だった。
トドメを刺しにきたグレートムタの噴射寸前の毒霧を喰らって中邑が掟破りの逆噴射!
防ぐのではなく、逆に利用し、最後はキンシャサ(ボマイェ)でプロレスファン時代のアイドルだったグレートムタからピンフォール。
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— プロレスリング・ノア |PROWRESTLING NOAH (@noah_ghc) January 1, 2023
中邑は、SHINSUKE NAKAMURAとして、バイオリンの生演奏と共にRISING SUNで入場。
グレートムタは、新日本プロレスに登場し始めた頃を思わせる真紅のコスチュームで登場。
試合の展開を追っていくと、序盤の立ち上がりはグランドから始まり、ムタはアームロック、STFを出し、更には足四の字固めを出す等、普段よりも武藤敬司のムーブを思わせる技の使用が多かった。
しかし、中盤からは、この展開に苛立ったのか、本来のムタを見せ始めたのか、赤い毒霧を浴びせた辺りから魔界殺法を全開し始める。
試合を見ていて、アントニオ猪木と試合をした時のような、世界観との闘いを思い出す。
中邑も防戦一方になりつつも、闘魂が注入されたのか渾身のナックルパートを何発も叩き込む。
そして、膝が徹底的に悪くなる前にムタ(武藤敬司)がドームプロレスで多用した長い花道を利用したラリアットを中邑が叩き込むなど、ムタへの憧れやリスペクトを垣間見たような攻撃。
ムタもドラゴンスクリューや、シャイニングウィザードと定番の技を繰り出すも決定打を与えることが出来なかった。
グレートムタとして、IWGPヘビーも三冠ヘビー級王座にも戴冠しているグレートムタ。
しかし、ムタは勝敗にそれほど重きを置いてないから、あれだけ滅茶苦茶やっても殆ど反則負けなんて聞いたことがない。
レフェリーチェックが甘いなんて、野暮なことは言わない(笑)
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— プロレス/格闘技DX編集部 (@PKDX) January 1, 2023
花道で感動のシーンを見せつつも、それを最低限にとどめて、ステージを下りるまでグレートムタ ワールドを貫いたのが印象的だった。
試合後のリング上での “イヤァオ!!” は最高に格好良かった。