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武藤敬司は内藤戦の後,真っ白な灰となり燃え尽きるのか・・・

武藤敬司
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悔しい思いをさせた上で・・・

不世出のプロレスの天才であり、プロレスLOVE 武藤敬司は、引退を決めた最初の会見で言っていた。

子どものころ『あしたのジョー』という漫画が大好きでね。

ジョーの最終回は、リングの上で燃え尽きて白い灰になる。

現実と漫画は違うかもしれませんが、プロレスラー・武藤敬司はジョーのように全てを出し尽くして最後は白く灰になりたいと思っております

 

これだけ言うと、重く聞こえる可能性もあり、”見た目は丹下段平みたいだけど” しっかりオチを付ける(笑)

長きに渡る激闘で、膝に人工関節を入れて、日常で普通に歩けなくともプロレスのリングに己を人生を捧げてきた武藤敬司。

 

それでもファンからすれば、まだまだ出来るだろうと思っていたから、この時は、ジョーは言い過ぎじゃないかとも思っていた。

 

しかし、グレートムタFINALの試合後、まさかの車イスで登場し、報道陣やファンを驚かせた。

そして、ラストワンである内藤哲也戦を20日を切ったあたりだろうか、肉離れを発表し、プロレス史上最大の夜や、選手、団体関係者の気持ちが物凄いプレッシャーだと珍しく弱音を吐く天才。

 

因みに、M’s Allianceの同志 鉄人こと望月マサアキの入場曲「傷だらけの栄光」はあしたのジョー2の主題歌だ(歌自体はマサアキ自身が歌っているらしい)

 

それを見て、本当にボロボロなんだ、矢吹丈の様に、真っ白な灰になると言うのも大袈裟ではないなと思った。

 

作品の終盤でジョーは、最後のホセ・メンドーサ戦の前に、パンチドランカー症状を発症していた。

ノーガード戦法や、相打ち必死のクロスカウンターやダブルクロス、力石徹やカーロス・リベラをはじめとした数々の激闘で体を蝕まれていた。

 

そんな状態でありながら、世界一強い男が目の前に立っている、白木葉子が告白しても決して歩みを止めなかったジョー。

ホセのコークスクリューブローを喰らいながらも、何度、倒れても立ち上がり、闘うジョー。

 

武藤を見て、プロレスラーになった内藤哲也が待つ、東京ドーム超満員のファンが待つリングへ向かうであろう武藤敬司の心境は、ジョーのそれと同じ気持ちに近いかもしれない。

 

さいたまスーパーアリーナで、一度だけ封印を解いたが、本当に最後のファイナル・ムーンサルトプレスを出すのではないか?

 

フラッシングエルボー、ドラゴンスクリュー、足の四の字固め、そして、武藤敬司の後年の代名詞となり、最も頼りとなり、支えてくれたシャイニングウィザード(閃光魔術)

 

個人的には、低空ドロップキックはあまり好きではない。

何故なら、相手の頭を飛び越えるほどに高いドロップキックを知っているからだ。

それでも、武藤敬司が自身をリニューアルする過程で生まれた大事な技であるのは間違いない。

 

試合後に、立って歩けなかったら、盟友 蝶野正洋が肩を貸すと言っていたが、蝶野自身もボロボロだ。

全盛期、或いはそれに近い状況で引退するプロレスラーは殆どいない。

多くが満身創痍やボロボロになるまで闘い、ファンはその姿に元気をもらったり、影響を受ける。

そうゆう点では、球技等のスポーツよりも、ミュージシャンに近いのかもしれない。

 

多くのプロレスラーがペイントやコスチュームを変えても、その試合の状況に合わせたり、とりあえず毒霧を吹いたりと(笑)ファッションに過ぎない。

 

偶発的にせよ、武藤敬司とグレートムタという別人格を生み出したスーパートップレスラーは、今後も出てくることはないだろう。

記者会見で内藤哲也は “武藤敬司には白く灰になっていただきますよ” と完封勝利を予告。

 

しかし、スーパースター武藤敬司もただでやられる訳がない。

“いや、もう願ってもないことであってね。

本当に潰しにきてくれるのか。・・・もしかしたら、遠慮とかされたら、逆に困っちゃうなって思っております”と、武藤流で応戦。

 

憧れとデスティーノが交錯する、プロレス史上、もっとも運命的と言える引退試合。

スーパースターとダークヒーローを持ち合わせた不世出の天才 プロレスLOVE 武藤敬司という壮大な大河ドラマの幕がもうすぐ下りる。