AEWであの日の激闘が蘇る
今年も新日本プロレス 真夏の祭典「G1 CLIMAX」の開幕戦が待ち遠しい中、なんとG1の記憶を揺さぶる、衝撃的なカードがAEW(オール・エリート・レスリング)で発表された。
オカダ・カズチカ vs 飯伏幸太
日本ではもう二度と実現しないと思われていた因縁の一騎打ちが、アメリカのマットで再び交差する。
両選手の最後の激突といえば、G1優勝決定戦の記憶に深く刻まれた、あの“不完全燃焼の一戦”のリマッチである。
2021年、不死鳥の羽が折れた灼熱の夏
東京・日本武道館 G1 CLIMAX優勝決定戦で、オカダと飯伏は大注目の一騎打ちを行い、激闘を繰り広げるも、そのクライマックスで起きたのが、あの運命のフェニックス・スプラッシュだった。
飯伏がコーナー最上段から放ったフェニックス・スプラッシュは、オカダがかわしたため、着地に失敗。
うずくまる飯伏に対し、会場も騒然とする中、ついにレフェリーが試合を止めた。
G1決勝戦史上、唯一のレフェリーストップ──この一戦は、未完の名勝負として歴史に刻まれた。
その後の飯伏のキャリアは、まさにジェットコースターのように激しい浮き沈みを描いた。
長期欠場が続く中、前社長やブッカーと目された外道らと揉め、新日本との契約も終了を選んだ。
その華麗な飛翔の裏には、想像を絶する試練と葛藤が横たわっていた。
AEWに戦場を移した現在も、その存在感は際立つものの、全盛期と比べれば不安の声が囁かれるも、華やかさと脆さ、爆発力と危うさが同居する飯伏というレスラーの宿命は、今も変わらない。
王者・レインメーカーとの再会
一方、オカダ・カズチカはAEWのリングでも堂々たる王者として君臨し、世界最高峰のレスラーとして、その存在感は際立つ。
オカダにとっても、飯伏との再戦は「未完の宿題」であるやもしれない。
【AEW】飯伏幸太vsオカダ・カズチカが3年8か月ぶり再戦へ 「超スゲー」の大声援|東スポWEB #AEWhttps://t.co/sPUtkgZtSD
— 東スポ プロレス格闘技担当 (@tospo_battle) June 26, 2025
かつて新日本の主軸として、互いに時代を築いた二人。だが、それぞれ異なる道を選び、遠く離れた地で再び対峙する今、その意味は大きく変わっている。
AEWでこの試合が実現するという事実と盛り上がりは、同時に、G1という大会が築いてきた歴史と影響力の証とも言えるのではないだろうか。
再戦の行方と、その先に
とはいえ、気になるのは、やはり飯伏のコンディションであり、あのレインメーカーを相手にどれだけの動きができるのか。
だが、ファンはそれを知りながらも、なおこの試合に期待するのは、飯伏幸太というレスラーが「予測不能」と「夢」を同時に体現するゴールデンスターだからだ。
彼がまた空を飛び、また限界を超える瞬間を、我々はどこかで待っている。そして、あの武道館の続きが、もしこのアメリカのマットで完結するのだとしたら──それはきっと、AEW史上に残る一夜となるだろう。
この試合が組まれたタイミングも象徴的だ。新日本のG1 CLIMAX 35が目前に迫る今、このカードは「G1とは何か」「闘う理由とは何か」を改めて問う。
AEWの舞台で交わされるこの一戦は、海の向こうで完結するか、それとも新たな火種を残すのか。
かつてのG1優勝戦で交わった運命の二人──オカダ・カズチカと飯伏幸太が、どんな物語を生み出すのだろうか、要注目!!