辻陽太 覚悟の夏
真夏の新日本プロレスを彩る、世界一過酷なリーグ戦――G1 CLIMAX 35。
全20選手が真っ向からぶつかり合う中、大混戦となったAブロックを勝ち上がったのは、EVIL、デビッド・フィンレー、そして辻陽太の3人だった。
ブロック最終盤、首の差で涙をのむ強豪も多い中、この3名の顔ぶれは実に対照的だ。
バレットクラブのリーダーとして、どん底から冷酷無比に勝ちを積み上げたフィンレー。
ヒールユニット「HOUSE OF TORTURE」の邪悪な暗闇王EVIL。
そしてどのユニットにも属さない孤高の無所属 辻陽太。
辻「最初はよかったさ。そのあと3連敗。そして今日に至る。今日は勝った。でも去年と何が変わった?俺は去年準優勝してIWGP GLOBALを獲った。それで今回どうだ?去年と一緒。俺の中では正直、自分がふがいない。でもこれっていうのは俺じゃない、俺じゃない…」https://t.co/2FXP7QmAwb#G1CLIMAX35 pic.twitter.com/v7Omle9zg5
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) August 10, 2025
とくに辻は、純粋に新日本本隊にも属さず、A唯一のベビー側として、その存在感は際立っている。
後半戦こそ勝率は落としたが、同世代の日本人選手の中で唯一決勝ステージへ進出。
この事実は、内藤哲也が「頭ひとつ、いやふたつは抜けている」と評する通り、確かな実力を示すものだった。
昨年はNEW JAPAN CUPを制し、G1でも準優勝と、結果だけを見れば、既にトップ戦線を牽引する資格を持つレスラーだ。
リング上だけでなく、辻は発言でも異彩を放ち、新日本の海外進出は、アメリカよりもアジアと話し、馴染みある「マーロウのプリン」を頬張るだけでなく広告塔となり、長いソバージュをなびかせながら豪快に笑う。
マイクでの決めゼリフ――「覚悟はいいか!」
この一言は、単なるパフォーマンスではなく、対戦相手に、そして観客に、プロレスを生き様として見せる覚悟を問う言葉であり、その声を聞いた瞬間、会場の空気は一変し、リング上は辻の色に染まる。
今回のG1ファイナルは、辻陽太が自らの存在を、新日本の未来像と直結させる戦いになる。
昨年の準優勝から一年、さらなる成長を見せつけるか、それとも再び壁に跳ね返されるのか。
【Aブロック“決勝トーナメント進出”はこの3選手!】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) August 10, 2025
・クリーンファイトで棚橋を“騙した”EVILが1位通過!
・粘る上村を返り討ちにしたフィンレーが2位!
・カラムを撃破した辻が3位で勝ち上がる!!
8.10群馬大会結果https://t.co/2FXP7QmAwb#G1CLIMAX35 pic.twitter.com/BdszvQywSC
その結末は、団体の勢力図にまで影響を及ぼす可能性を秘めている。
2025年夏、辻陽太は覚悟を胸に、再びリングの中心に立つ。
ファイナルトーナメントのゴングが鳴る瞬間、会場に響くあの言葉は――今年こそ、本当の意味で決意となりそうだ「覚悟はいいか!!」