リングの中心でNJPW愛を叫ぶ
それは勝者の雄叫びというよりも、「新日本のリングでプロレス愛を叫ぶ」覚悟の表明だった。
見ている側からすれば、ブシロードという強力な親会社のもと、待遇も金銭面も安定しているはず――そう思っていた。
だが現実は、どうやらそれほど単純ではないらしい。
辻の試合後の言葉はブシロードそのものへ向けられているようでいて、実際には新日本プロレスに出向しているブシロード関係者へ向けられているようにも聞こえた。
仕事だから仕方なく来ているのかもしれないし、プロレスへの愛はあっても、上から降りてくる予算や要望を受け止めなければならない板挟みの立場なのかもしれない。
もちろん、詳細はわからない、だが、日本人・外国人を含めた退団者の多さは、やはりただ事ではない空気をまとっている。
新日本プロレスの歴史は、ある意味で「大量退団」と「新陳代謝」の歴史でもある。
しかし、そのたびに団体は揺れ、集客力が落ち込み、時に暗黒期と呼ばれる時代を迎えてきた。
大きな転換点として、昭和維新軍が去ったとき、闘魂三銃士が相次いでセルリアンブルーのリングを離れたとき。
その衝撃は、単なる戦力ダウンだけではなく、“時代の終わり”という実感が、ファンの胸に重くのしかかった。
そして今、歴史は繰り返すのか、毎年の様にビッグスターの退団が続いていく。
それでも団体は上昇曲線を描いていければいいのだが、実際の所、水面下で軋みを抱えているのか――そこが気になるところだ。
【新日本】王者・辻陽太 親会社ブシロードへ〝禁断発言〟の真意「大前提、僕らは人間なんですよ」|東スポWEB https://t.co/zMCXRQu82U
— 岡本佑介@東京スポーツ新聞社 (@okamotospo) February 11, 2026
新陳代謝という言葉は美しい。だが、思うこともある、まだ代謝しなくていい部分ばかりが削がれ、本来変わるべきところは何も動いていないのではないか、と。
辻の叫びは、その違和感の象徴だったのかもしれない。
リング上で汗を流す選手の覚悟と、経営という現実。その狭間で、新日本は今どこへ向かおうとしているのか。
6月にはTV放送もあるビッグマッチが控えており、華やかな舞台が用意される一方で、団体の根幹は揺れていないのか。
新日本プロレスとブシロードは、プロレス界において、どんな未来を描くのか。
辻の魂の叫びは、警鐘なのか、それとも再生の狼煙なのか。
今こそ、その行方から一時も目が離せない!!