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【G1CLIMAX35】館のSANADAと成田蓮は存在感を示せるのか!?

G1CLIMAX35
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沈黙ばかりが金にも正解にもならない

G1 CLIMAX 35 真夏の祭典開幕が迫る中で、今年の出場選手たちの顔ぶれを見渡してみると、どうしても注目度という点で埋もれてしまっているレスラーがいる。

その内の二人、現在「HOUSE OF TORTURE」に所属するSANADAと成田蓮だ。

2023年はIWGP世界ヘビー級王者として君臨していたSANADAにしても、なかったことになっているが“令和闘魂三銃士”の一角と呼ばれた成田にしても、いまや話題の中心から大きく外れてしまっている。

かつての存在感を考えれば、これは極めて不自然な状況とも言える。

成田蓮は、かつて盟友でありライバルであった海野翔太を裏切り、「HOUSE OF TORTURE」へと電撃加入。

その衝撃は大きく、加入直後にはNEVER無差別級6人タッグ王座やTV王座を立て続けに獲得し、一時はユニットの顔になりかけた。

リング上では従来のストイックなスタイルに、反則攻撃や外道的振る舞いが加わり、ファンの間でも賛否を呼ぶ存在となっていた。

しかし、近ごろの成田はどうだろうか。リング内外での露出は減り、ストーリーラインにも大きく関与していない。

試合には出場しているものの、ユニットの中で埋没してしまっている感は否めない。

かつての怒りや野心は見せかけだったのか、それとも「館軍団」という空間が彼をそうさせてしまったのか。

いずれにせよ、今の彼がG1 CLIMAXで優勝戦線に絡むことを予想する記者はほとんどいないのが実情だ。

一方のSANADAもまた、昨年とはまるで別人のような立ち位置にある。

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを離脱し、Just 5 Guysの中心として活躍、そして念願の世界王座も手にした。

その姿には、多くのファンが「ようやく殻を破った」と歓喜したはずだった。

だが、王座陥落後は勢いを失い、今年5月にはまさかの「HOUSE OF TORTURE」加入を果たす。

この移籍は、多くのファンを困惑させた。

SANADAらしいといえば、らしい。彼の気まぐれなスタンス、ミステリアスな言動がそうさせたのかもしれない。

しかし、蓋を開けてみれば話題になったのはトムキャット風のガウンやミッキーシューズと揶揄されたシューズくらいで、リング上でのインパクトは皆無に近い。

“裏切り”のインパクトに比して、行動があまりに地味であり、何より彼本来の試合内容や構成力が「館式スタイル」に飲まれているようにすら見える。

試合中の乱入、反則、レフェリー無視。これまで美学を重んじてきたSANADAのファイトスタイルが、自身の選択によって揺らぎ始めているのだ。

現在の「HOUSE OF TORTURE」は、EVILを筆頭にSHO、成田、SANADAと勢いのあるメンバーを揃えているが、実際にEVIL以外で、コンスタントに話題を提供できているのはSHOくらいだ。

一方で、成田とSANADAに関してはそのカラーが曖昧なままである。

G1 CLIMAXという舞台は、誰にでもチャンスがある。

過去には優勝候補でなかった選手が台風の目になった例も多く、逆境こそ輝くチャンスであることは言うまでもない。

ましてや、SANADAと成田という実力者であればなおさらだ。

彼らがいまの不遇を脱し、己の価値を再証明するには、このG1というサバイバルリーグこそが格好の場なのである。

だが、そのためにはまず「HOUSE OF TORTURE」の中でどう自分を表現していくか、その在り方を改めて問う必要があるだろう。

ただ乱入に頼るだけの試合では、もはや観客の心は動かない。戦術の奥行き、リングでの語り口、そして何より“裏切り”に見合った結果を示さなければ、ただの迷走にしか映らない。

SANADAには、王者時代に見せたようなスタイリッシュな試合運びがあり、成田には真っ直ぐな突進力と、背負ってきた“新日本の未来”という看板がある。

その光を再び取り戻すには、今こそが分岐点だ。

G1の戦いを通して、誰よりもファンや関係者を驚かせる存在となること。それが、彼らの再浮上への第一歩となる。

沈黙は、もはや武器にはならず、今こそ、SANADAと成田蓮のG1覚醒に期待したい!!