太陽は沈まない 高橋ヒロムがNOAH登場
2025年7月19日、プロレスリングNOAH・GHCジュニアヘビー級戦線に、衝撃が走った。
その夜、YO-HEYが幾度となく敗れ続けてきた因縁の相手・HAYATAにようやく勝利。
防衛に成功し、会場は歓喜に包まれた。
だが、祝祭の余韻をかき消すように、あの口笛から始まる馴染み深い入場曲が鳴り響いた瞬間、ファンの間にざわめきが広がった。
新日本プロレスが誇る“ジュニアの太陽”――高橋ヒロムが、まさかのNOAHマットに降臨したのだ。
その姿は、まさしくいつ爆発するかもしれないほどの存在感で、GHCジュニアのベルトを防衛したばかりのYO-HEYに対し、真正面から宣戦布告。
YO-HEYも王者らしく即座に応じ、翌日には前哨戦とも言える一騎打ちが急遽実現。
【ノア】高橋ヒロムが電撃来場 Jr.王座V4のYO-HEYに「ノアジュニアを味わいに来ました…明日やりましょう」|東スポWEB #noah_ghc #njpwhttps://t.co/gP5rxKrEBJ
— 東スポ プロレス格闘技担当 (@tospo_battle) July 19, 2025
ハイスピードで熱量の高いその戦いは、両者の意地と覚悟が交錯する、見応え十分の一戦となった。
試合後、ヒロムはあらためて正式にGHCジュニア王座への挑戦を表明すると王者もこれを受け入れ、舞台が整えば、両者のタイトルマッチが8.11川崎で行われることになった。
この展開はプロレス界にとって極めてエキサイティングな出来事だが、背景にはヒロムの複雑な胸中も見え隠れする。
今回の行動は、6.15 大阪で行われたビッグマッチにカードが組まれなかったことが、ヒロムの今回の行動に起因しているかもしれないと話していた。
ジュニア戦線をけん引してきたヒロムにとって、リングに立てない日々は「屈辱」であり「飢え」そのものだったのだろう。
📢7.20後楽園バックステージコメント
高橋ヒロム「ロスインゴが終わって無所属の状態。俺の中で大きかったのは新日本プロレスの大阪城ホール大会で試合が組まれなかったこと。高橋ヒロムがいなくていいんですか? と」2/3#NOAH25th #noah_ghc #njpw pic.twitter.com/PlgZUSq2PL— プロレスリング・ノア |PRO WRESTLING NOAH (@noah_ghc) July 20, 2025
だからこそ、NOAHマットへの電撃参戦は、彼にとって自己証明の場であり、ファンに向けた“生きている証”でもある。
それにしても、ジュニア戦士が登場しないG1は、果たして理想形なのだろうか?
現在、新日本プロレスでは真夏の祭典 G1 CLIMAX35が開催中。
20名の精鋭レスラーが参加し、大会によるも、1大会につき10試合が組まれる過密日程のため、ジュニア戦士の出番は無い。
たしかに、毎夜高密度なシングルマッチが並び、ファンの熱狂は凄まじい。
しかしながら、連日試合を追う側としては、どこか“緊張疲れ”を覚えはしないだろうか。
だからこそ、スピーディーで躍動感あふれるジュニアの6人タッグなどが挿入されれば、観客の気持ちに一息つかせる「潤滑油」になり得るはずだ。
しかし現状は、全試合が公式戦の大会では時間合わせ?尺回しなのか、およそ5分未満で終了するシングルマッチもあるなど、なぜこの2人が闘って、これほど早く決着するのか、疑問が残る試合すらある。
そうなる原因の一つとして、参加選手が多すぎるのだ。
20名を2ブロックに分けた結果、どうしても一晩10試合が必要になり、1試合あたりの時間が削られてしまう。
来年以降は、思い切って16名以下に絞り、ジュニア戦士の試合も適宜組み込む構成に戻してほしい。
そうすれば、ヘビーとジュニアが織りなす多彩なストーリーが大会全体の魅力をさらに押し上げるだろう。
話を高橋ヒロムに戻そう。
2016年にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの一員として新日本マットに凱旋して以降、高橋ヒロムはジュニア戦線の主役を張り続けてきた。
IWGPジュニアヘビー級王座は、獲得5度。ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)も、2020年から2022年にかけて3連覇を達成するという快挙。
特に、ドラゴン・リーやデスペラードとの激闘、そして石森太二との技術戦など、彼が巻き起こしてきた闘いの数々は、もはや伝説の領域にある。
それでもなお、彼は現状に満足せず、ジュニアの価値を引き上げ続けるために挑戦を選び続ける。
かつて「ジュニアこそメインを張るべき」と語り、ジュニアの名を世界へ届けようと、他団体との交流も厭わなかった男が、今再びNOAHという新たなステージへ踏み出したのだ。
うぉっし゛ゃ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ゛‼️‼️‼️‼️
GHCを獲って想いを語ってやる…#noah_ghc https://t.co/vHYSuhAkt2— 高橋ヒロム / Hiromu Takahashi (@TIMEBOMB1105) July 20, 2025
ジュニアというカテゴリーに収まらない、そのスケールと情熱――。
高橋ヒロムは、もはや“階級”という枠を超えた存在だであり、師匠であり制御不能なカリスマ内藤哲也と別離しても、歩みはいささかも止まらない。
どんなリングでも、どんな相手でも、彼はその一歩目から観客の心を掴んで離さない。
そして、その太陽は、沈まない。
今後のヒロムのNOAHマットでの活躍、そしてGHCジュニア王座への挑戦が、彼自身の物語に新たなページを加えることは間違いないだけに要注目だ!!