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タイチにタナとフィンレー・・G1 Aブロックはよりエモーショナル!!

G1CLIMAX35
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G1の夏に魂を込めて

今夏、G1 CLIMAX35はAブロックもBブロックも、それぞれの個性がぶつかり合い、例年以上に激しさと深みを見せている。

しかし、その中でも一際“感情”が揺さぶられるのは、Aブロックではないだろうか。

なぜなら、そこには時代の岐路に立つ者たちがいるからだ。

「逸材」棚橋弘至。今大会を“最後のG1”と明言し、引退ロードを歩み始めた新日本プロレスの象徴。

「BULLET CLUB WAR DOGS」総帥、デビッド・フィンレー。

サベージキングあるまじき敗退が続き、今シリーズはかつてない苦境に喘いでいる。

そして、タイチである。

“準レギュラー”だった男が、G1の舞台へ這い上がってきた。今年の出場は、与えられたものではなかった。

出場枠を懸けたガントレット戦で、石井智宏をはじめとした猛者たちと死闘を演じ、勝ち上がった末の出場権獲得。

すでに、この時点でひとつの“G1”を戦い抜いているのだ。

正規出場メンバーに名を連ねられなかった事実は、本人にとっても、ファンにとっても屈辱だったかもしれない。

しかし、それを打ち砕くように、タイチはこの夏、再び己の価値をリング上で証明している。

特筆すべきは若きエース候補らと激突した上村優也、そして辻陽太という、次代の新日本プロレスを担うべき存在を連破。

これらの勝利は、決して偶然でも、運でもない。すべてはタイチがこの数年、地道に積み上げてきた闘いと信念の結実だ。

マイクパフォーマンスや独特のキャラクターに注目が集まりがちだったが、その裏で彼は着実に“プロレス”を磨いてきた。

KOPWのような特殊ルール戦でも存在感を放ちつつ、シングル戦線、タッグ戦線でも幾度となく爪痕を残してきた。

そして、G1という過酷なリーグ戦の中で、“王道のプロレス”で勝ち星を挙げている。

石井智宏との出場権争奪戦は、まさにその象徴だった。

何度も限界を超えた末の勝利。自らの信念と身体を削り合った末に勝ち取ったG1の出場。

その意義を、タイチは誰よりも理解しているのだ。

年齢でいえば、棚橋や石井に次ぐ“ベテラン枠”に差し掛かっているタイチ。

しかし、気持ちはむしろ、新世代らと同じか、いやそれ以上に飢えているかもしれない。

Aブロックにはもちろん、ファッショニスタSANADAのような、華やかさと余裕を持った選手も存在する。

どこか「涼しげな表情」で賑やかしな感もある中で、、タイチは真逆の温度を放つ。

汗と熱と、叫びとともに試合を繰り広げる。まさに、“世界でいちばん熱い夏”を体現しているかのようだ。

残りの公式戦となると、棚橋戦でアップセットを起こした大岩陵平とのシングルマッチも楽しみだし、ザ・プロレスラーと言える肉体を持つボルチン・オレッグとの試合も興味深い。

G1 CLIMAXは、時代を測る“物差し”であり、若手がベテランを越え、未来が現在を押し流していく場でもある。

ダークホース蝶野正洋が優勝した第1回大会が正にそうだったのだ。

しかし、時に“歴史から這い上がってきた現在”が、その波をせき止めることがある。今年のタイチがまさにそれだ。

棚橋が“終わり”を見据え、フィンレーが“再起”を懸ける中で、タイチは“継続”を叫ぶ。

勝ち負けは重要だ。だが、それと同じくらい大切なのは、G1という“生存競争”の中で、どんな表情で、どんな覚悟で、どんな戦い方を見せているか。

そこにこそ、“プロレスラー・タイチ”の真価がある。

誰よりもG1を欲し、誰よりもG1に飢え、誰よりもG1を熱くしている男たちの夏は、まだまだ終わらない!!