マサ北宮、またも報われず
9度目のGHCヘビー級挑戦も、その結末はあまりにも残酷だった。
試合後、解説席の武藤敬司が静かに放った言葉が重い。
「ヒールターンして、TEAM200Xの仲間を総動員してもベルトを取れなかったのは、キツイよな」
的な言葉を残していたが、プロレスの光と影を誰よりも知る武藤が言うからこそ、その言葉は胸に突き刺さる。
ここまでしても、マサは勝てなかった──それがすべてだった。
北宮は決して腐らず、ここ数年、どんな不遇も背負ってリングに立ち続けた。
団体を支え、批判を受け、表舞台から外れても、再び這い上がってきた男だ。
だが、今回も勝てず、出戻りの、いいタイミングでしか大会に参戦しないKENTAから王座を奪えなかった。
【ノア】KENTAがGHC王座V2! 挑戦表明の稲村愛輝に「絵に描いたようにアメリカにかぶれてんじゃねえか!」|東スポWEB #noah_ghchttps://t.co/dn4PNu6xwp
— 東スポ プロレス格闘技担当 (@tospo_battle) October 11, 2025
そして、入れ替わるようにして、試合中からNXT帰りの稲村愛輝が姿を現した。
英語交じりのルー的なマイクでKENTAに挑戦表明!
会場の視線は一瞬で稲村に集中し、マサの敗北は過去の出来事のように飲み込まれていった。
もしマサが勝っていれば、ヒールとして稲村の挑戦を受ける展開も見たかった。
世代交代のドラマが描けたかもしれないのだが、9度目の挑戦も夢叶わず、GHCのベルトは再び遠のいた。
入場時、ゲスト解説に来ていた古舘伊知郎に罵声を浴びせたマサ北宮。
あの瞬間は確かに“マサ斎藤の弟子”としての魂が見えたし、古舘が実況席で「流れが変わるのではないか」の様につぶやいたのが印象的だった。
だが、結果は非情であり、努力と覚悟だけでは届かない現実を、マサはまたも突きつけられた。
一方、同大会では高橋ヒロムとEitaが熱戦を繰り広げ、ヒロムが防衛に成功。
凄い試合だったが、最後に観客の記憶に残ったのは、稲村の凱旋とKENTAの勝利であり、そして“次の展開”への期待なのかもしれない。
リングに上がった稲村の姿は圧巻で、テンガロンハットを被り、かつてのスタン・ハンセンを思わせる風格。
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👑11.8後楽園【GHCヘビー級選手権試合】開催‼️‼️
\STAR NAVIGATION 2025
📅11月8日(土) 18:30開始/17:30開場
🏢後楽園ホール👑GHCヘビー級選手権試合
(王者)KENTA
VS
(挑戦者)Yoshiki Inamura
※第48代王者3度目の防衛戦#noah_ghc pic.twitter.com/vOCGN2Y9V5— プロレスリング・ノア |PRO WRESTLING NOAH (@noah_ghc) October 11, 2025
身体の厚み、存在感、そして空気の変え方──北宮の敗北が、稲村の登場によって物語の一幕に変わっていくのがわかった。
マサ北宮の時代は、またも訪れなかったかもしれない。
それでも、ダークな影の中で抗い続ける男は、何度でも立ち上がるのだろう。
稲村の時代が始まるのか、それともKENTA政権が続いていくのか、方舟戦線に要注目だ!!