いつ暴れ龍は目覚めるのか
Aブロックを見渡すと、Bブロックとは雰囲気がまるで違う。
日本人選手がズラリと並び、「あ、この人毎年夏休みの宿題みたいにG1出てるな」という常連組も勢ぞろい。
復帰したSANADA、初出場のICEなど話題には事欠かない。
……なのに、一番気になるのが鷹木信悟なんですよ。
「いや、試合は面白いんですよ?」
「そこは誰も否定してない!」
毎回のように激しい肉弾戦を繰り広げ、観客を沸かせる。
試合内容だけならMVP候補と言ってもいいくらいだ。
でも――。
勝たない。
いやいや、プロレスって最後は勝敗ですから!
「通知表で『体育は5だけど、全部遅刻で留年です』みたいな話ですよ!」
本人もよく口にするように、どれだけ名勝負をしても勝ち星に結び付かなければリーグ戦では意味がない。
特に痛かったのが、現IWGP世界ヘビー級王者・辻陽太との一戦だ。
もちろん、今の辻が強いのは誰もが認める。
……でもね。
「同門ですよ?」
「しかも後輩ですよ?」
ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを長年支えてきた”暴れ龍”が、後輩に飲み込まれていく姿は、見ていて何とも切なかった。
今年は私生活では、なつぽいとの電撃結婚発表という、ビッグサプライズで日本中を驚かせた。
「リング外では大勝利なのに、リング内はどうした!」
さらに前IWGP世界ヘビー級王者カラム・ニューマンにも黒星。
ドラゴンなのに、最近は火じゃなくてため息しか出てないじゃないですか。
もちろん、G1は長いリーグ戦。
序盤で連敗しても、中盤から怒涛の連勝で優勝した選手は過去にもいる。
だから、まだ終わったわけではない。
でも、長年見ているファンほど焦りは隠せない。
鷹木信悟は2018年に新日本へやって来る前、ドラゴンゲートでは絶対的エースとして君臨した男だった。
ユニットを率い、団体の顔として暴れ回り、「ランペイジドラゴン」の異名そのままに、リングを焼け野原にしてきた。
新日本でもNEVER無差別級王座、KOPW、そしてIWGP世界ヘビー級王座まで戴冠。
オカダ・カズチカ、棚橋弘至、内藤哲也ら歴代トップレスラーとも互角以上に渡り合い、「どんな相手でも名勝負を作る男」として絶大な信頼を勝ち取ってきた。
だからこそ、今の姿に違和感を覚えてしまう。
「壁役にもなれてないじゃないですか!」
本来の鷹木は、負け役ではない。
相手を吹き飛ばし、ラリアット一発で空気を変え、パンピングボンバーで会場を爆発させる男だ。
一度エンジンが掛かれば止まらない。
まるで大型トラックにジェットエンジンを積んだような破壊力こそが、ランペイジドラゴン最大の魅力なのである。
だからこそ、まだ諦めたくない。
ドラゴンゲート時代から20年近く追い掛けてきたファンなら、なおさら「もう一度G1優勝トロフィーを掲げる鷹木信悟」を見たいはずだ。
名勝負製造機で終わる男じゃない。
山梨のランペイジドラゴンは、ここでで立ち止まるレスラーではないのだから。
そろそろ眠っているドラゴンを起こしてくれ。
今年のG1で再び大暴れする鷹木信悟こそ、多くのプロレスファンは待っている、”龍魂爆発!鷹木がやらなきゃ誰がやる!!”
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