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【ガンダムGQuuuuuuX】真の主役は木星帰りシャリア・ブルですか!?

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ギレン総帥 呆気なく・・・

『機動戦士ガンダム ジークアクス』も、いよいよ終盤に突入し、第9話・第10話と進むにつれ、あるキャラクターの存在感がより増している。

ファーストガンダム本編ではわずか1〜2話程度の登場だった“ヒゲマン”こと、シャリア・ブルである。

視聴を重ねるほどに感じるのは、もはや主役、少なくとも物語のキーマンはシャリアなのではないかということだ。

マチュとジークアクスを一時は捕縛しながらも泳がせ、やがて“シャロンの薔薇”――ララァ・スン専用モビルアーマーとララァ本人を発見させるくだりなど、ニュータイプ的感応力と冷静な判断力が見事に融合しており、彼の只者ではない才覚を改めて感じさせた。

その後も、マチュの信頼を着実に得ていき、折に触れてはシャア大佐との微妙な関係性をほのめかす。

さらに、専用の機体「キケロガ」(旧ブラウ・ブロ)に搭乗した際には、圧倒的なニュータイプ能力を発揮。

演出も相まって、彼の存在が作品世界における「未来の可能性」として浮かび上がる。

アムロは一切出ず、シャアもスポット出演の本作において、キシリアと並び、最もコンスタントに登場するのがこのシャリア・ブルなのだから驚きだ。

思えば、ファースト本編では木星帰りのニュータイプという立ち位置で登場し、割と呆気なく、無念の退場となってしまった。

しかし、その「異能の片鱗」が、ここにきて作品世界を貫く一本の軸として再構成されているように感じる。45年の時を経て、まさかここまで脚光を浴びるとは、当時誰が想像しただろうか。

そして、もう一人の軸がキシリア・ザビである。ギレン総帥の暗殺というクーデターを実行したものの、結局はシャアによって殺されてしまうザビ家の女傑。

そのキシリアが、シャリアと同じく今作では物語を通して登場し続け、旧来の「冷酷な参謀」像を超えた多面的な人物として描かれているのも面白い。

あの名シーン――「兄上も意外と甘いようで……」――が、今作の中で語られたわけではないが、そんな彼女の内面が垣間見えるような場面も多く、ファンとしては胸が熱くなる。

ギレン暗殺があまりに呆気なかったこともあり、なおさらキシリアの存在感が際立つのだ。

終盤、マチュとニャアンという本来の主役級キャラクターたちが、いよいよ物語に決着をつけようとしている。

しかし、そこに至るまでの導線を引いたのが、紛れもなくシャリアでありキシリアであったことは否定できない。

また、ファースト本編で語られたあのドズルの名言、「ビグ・ザムが量産の暁には……!」も、今作では一つの“皮肉”として回収されている。

実際のところ、ビグ・ザムは見た目ほどには強くなく、最新鋭の高性能MSたちの前にはやや型落ち感すら漂う。

だが、それもいい、というのも、『ジークアクス』は単なる続編や懐古ではなく、「過去の可能性を、今の視点で再構成する」ことに挑戦している作品に思えるし、今後も増えそうな気さえする。

ビグ・ザムが弱かったことも、シャリアが当時は理解されなかったことも、すべては「時代の中で評価が変わる」ことを象徴している。

『ジークアクス』という作品が、最終的にどんな結末を迎えるのかは分からない。

しかし一つ確かなのは、シャリア・ブルという男が、「異才」として一時的に登場し、去っていっただけのキャラクターではなかったということだを、ジークアクスの世界の中心で示している。