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【はじめの一歩】Round 1493 気紛れ “千堂の野生が復活?”

はじめの一歩
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宮田一郎が見た千堂武士の真価

リカルド・マルチネスとの世界戦当日、大阪は異様な熱気に包まれていた。

浪速っ子たちが誇りと興奮を胸に、会場に集結する。

彼らの視線の先に立つのは、浪速が生んだ猛獣──千堂武士。己を貫き、拳一つで頂を狙う男に、日本中の期待が注がれていた。

伊達英二と鷹村守がゲスト解説として、幕之内一歩と宮田一郎は、観客席につきます。

ただの観客ではなく幾度も拳を交えた男として、そしてそれぞれが辿ってきた道の交差点として、千堂の戦いを特別な思いで見つめていた。

そんな宮田が、あの戦いの直前、一歩とのマススパーで確信したことがあったという。

「千堂は“戻った”んだ。浪速の虎として、肉食獣としての本能を、あいつは取り戻していた。」

宮田は冷静で論理的なボクサーも要素も高く、相手の呼吸ひとつを見逃さない男が、そう断言する。

千堂武士はかつて、その荒々しいスタイルと破壊力でリングを駆け回った。

人間離れした反射神経、己の拳だけを信じる姿勢。だが、その一方で「王者になる」という意志が、いつしか彼から“野生”を奪っていたようにも見えた。

宮田は見抜いていた。千堂の中に眠っていた“虎”が、目を覚ましていたことを。一歩とのマススパーで、あの千堂特有の、獲物を仕留める瞬間だけに研ぎ澄まされる集中力──それが確かに戻ってきた。

最高峰の世界戦ゴングはもうすぐだ!!