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ワールドプロレスリング「内藤哲也 制御不能な旅立ち」素晴らしかった!!

内藤哲也
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内藤哲也・終わりなき勇気の一歩

先日、テレビ朝日の「ワールドプロレスリング」にて放送された、内藤哲也選手の新日本プロレス退団後初となる特集。

正直なところ、その内容は私の予想を超えるものでした。

私は、番組の前半Aパートで内藤選手のインタビューが行われ、後半のBパートでは通常通り試合のダイジェストなどが放送されるのだろうと考えていました。

しかし、実際は丸々一本、全編にわたって「制御不能なカリスマ」内藤哲也選手を特集する構成となっていたのです。

この思い切った構成に、制作陣の内藤選手へのリスペクトと、新日本プロレスにおける彼の存在の大きさを強く感じました。

インタビューの中で印象に残ったのは、内藤選手が退団した今でも変わらず抱いている新日本プロレスへの深い愛情、そして「特別なもの」として捉えているその存在意義です。

それは単なる所属団体を超えた、プロレス人生そのものへの敬意のようにも聞こえました。

また、棚橋弘至選手への想いも語られていました。

彼がいたからこそ、新日本プロレスを選んだ――そう語る内藤選手の言葉には、プロレスラーとしての覚悟と、棚橋選手という存在の偉大さがにじんでいました。

そして、もしかするとまたいつか、あのラストシングルマッチがあるのかもしれない――そんな希望すら感じさせる語り口に、ファンとして胸が熱くなりました。

さらに、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの仲間たちへの感謝も語られていました。

あのユニットは単なるグループではなく、彼の人生とプロレスにおける価値観を体現した存在だったのだと、改めて気づかされました。

番組内では、過去の名勝負の一つである棚橋選手との一戦も一部放送されていました。

実況席からは、テレビ朝日アナウンサーと思われる方の、声がかすれるほどの絶叫が響いており、それが試合の激しさと感動をいっそう引き立てていました。

プロレスの魅力は、選手のパフォーマンスだけでなく、実況の熱量によって何倍にも膨らむものだと私は信じています。

新日本プロレスの実況では、辻よしなりさん、真鍋アナ、そして最近では野上アナなど、それぞれの個性と情熱が感じられますし、全日本プロレスでは若林アナや、ジャストミート福澤あな、金子アナらが印象的でした。

そうした実況の迫力こそが、観る者の心を震わせ、プロレスというスポーツを文化へと昇華させるのだと思います。

一方、ノアではOZAWA選手という突然変異のような存在が話題となっており、若手ながらそのキャラクターと発言力で大ブレイクしています。

今の新日本プロレスを見渡してみると、あの「物言うカリスマ」内藤哲也や、かつての「黒のカリスマ」蝶野正洋のような存在が見当たりません。

しかし、彼らが唯一無二の存在だったからこそ、その跡を継ぐ者がまた新たに現れるのかもしれません。プロレスは常に変化し、進化するものですから。

それでも、やはり、誰が現れようと――

制御不能なカリスマ・内藤哲也という存在は、本当に、なんと表現すればいいのか…言葉にうまくできませんが、新日本プロレスに、いてほしかった。

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン ― 制御不能な革命の軌跡

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(Los Ingobernables de Japón)、通称「L・I・J」。

このユニットは、2015年に内藤哲也選手がメキシコ遠征を経て、CMLL(メキシコの老舗プロレス団体)で出会った「ロス・インゴベルナブレス」に着想を得て、日本に逆輸入する形で立ち上げられました。

当時、内藤選手は新日本プロレス内での立ち位置に悩み、ファンの期待にも応えきれずにいた状況でした。しかしメキシコでの「イホ・デル・ファンタズマ」や「ルーシュ」たちとの出会いが、彼のスタイルや価値観を大きく変えます。

そこで生まれた「俺は俺のままでいく」「制御不能」という信念こそが、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの原点だったのです。

帰国後、内藤選手は新たな人格である「制御不能なカリスマ」として登場します。

そして徐々に仲間を集めていきました。最初に加わったのが、EVIL選手。

その後、BUSHI選手、SANADA選手、高橋ヒロム選手と加入が続き、ザ・ドラゴン鷹木信悟選手、ティタン、そして辻陽太とユニットとしての深みを増していきました。

L・I・Jは単なる「ヒールユニット」ではありませんでした。

彼らは「反体制的」でありながら、「抗うことの美学」を貫き、ファンの間で大きな支持を得ました。

スローな入場、や試合中での寝そべりポーズ、そしておなじみの「トランキーロ、あっせんなよ」これらすべてが、既存のプロレスの価値観への挑戦だったのです。

タイトル戦線でも結果を残しました。内藤選手はIWGPヘビー級王座、インターコンチネンタル王座の両方を巻き、史上初の二冠王へと上り詰めます。

ヒロム選手はジュニアの象徴として君臨し、SANADAやEVILもそれぞれタッグ戦線やシングル戦線で躍動しました。

特に鷹木選手が加入したことで、ユニットとしての戦力は一気に最高潮へ達しました。

しかし、EVILのバレットクラブ移籍など、ユニットにも別れの時が訪れます。

それでもなお、L・I・Jという名と哲学は、メンバー一人ひとりの中に確かに生き続けました。

そして今、内藤哲也選手の新日本プロレス退団により、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの歴史は一つの区切りを迎えました。

しかしそれは終わりではなく、また新たな伝説の始まりなのかもしれません。

ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン――彼らの存在は、プロレスという枠を超えて、私たちに「自分らしく在ること」の大切さを教えてくれました。

「トランキーロ、あっせんなよ」
その言葉を胸に、私たちファンはこれからも、内藤哲也という唯一無二の存在を、そしてロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンという革命、「制御不能なヤツら」をこれからも忘れることはないでしょう。