金竜飛 壮絶な過去
不朽の名作「あしたのジョー」といえば、減量の苦しみが物語の一つの象徴でもあります。
力石徹がバンタム級に階級を下げるために挑んだ壮絶な減量は、今も語り継がれる名シーン。
しかし、矢吹ジョー自身もまた、成長した体型をバンタム級にとどめるため、常に減量との戦いを強いられていました。
その減量のピークが訪れたのは、韓国の実力者・金竜飛との東洋太平洋タイトルマッチでした。
蔵前国技館(現・両国国技館)での王座戦を控え、ジョーは激烈な減量を乗り越え、試合への準備を進めていました。
そんな中、ジョーは偶然にもレストランで対戦相手の金竜飛と遭遇します。
https://t.co/G9bO2gmIIz
— 野口征恒(ノグチマサツネ) (@Chom2Start) February 20, 2025
『あしたのジョー2』金竜飛大特集の名勝負編COMPLETE DVD BOOKは 3月3日発売!
皆さんで『舞々開始』しましょう! #あしたのジョー2 #金竜飛 pic.twitter.com/WyfWDIT1pu
そこで語られたのは、金が奇跡的に生き延びた朝鮮戦争の壮絶な体験でした。
戦火の中、飢えと恐怖に耐え抜いた金の過去は、ジョーにとって衝撃的なものでした。
朝鮮戦争は、1950年に勃発した朝鮮半島を舞台とする激しい戦争です。
南北分断の悲劇の中、多くの人々が命を落とし、金竜飛もまたその戦火をくぐり抜けた一人でした。
戦時中、食べることすらままならなかった金の話を聞いたジョー。
満腹ボクサーとまで揶揄されていた自分との対比に、思わず「どうにも勝てる気がしねぇ…」とつぶやきます。
金竜飛にその意図はなかったにせよ、ジョーの心に深く刻まれたその言葉。
力石やカーロスといった強敵たちがいた黄金バンタム級…果たしてジョーは王座戦から生還できるのか。