荒れ狂うユニット再編
激動のユニット再編――新日本プロレスに何が起きているのか?
2024年から2025年にかけての新日本プロレスは、かつてないほどのユニット再編期を迎えている。これまで安定していた勢力図が大きく揺らぎ、リング内外で激しい動きが続いている。
2025年5月3日、福岡国際センター大会で「ハウス・オブ・トーチャー」がBULLET CLUBからの追放を受け、ユニットとして独立を表明。かねてより異端とされていたEVIL率いるこの集団は、長年の内部対立を経て、ついに自らの道を歩むことになった。
さらに翌5月4日の同じく福岡大会では、人気・実力ともに圧倒的存在感を放ってきた「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」(以下、LIJ)が突如として解散を宣言。新日本を代表するユニットの終焉に、多くのファンが衝撃を受けた。
【新日本】業界一の人気ユニットLIJが約9年半の活動にピリオド…「制御不能」はそれぞれの胸に生き続ける|東スポWEB #njpwhttps://t.co/ddCP47Xeb4
— 東スポ プロレス格闘技担当 (@tospo_battle) May 4, 2025
この二連発の出来事は、単なるユニットの解体にとどまらず、新日本プロレスの構造そのものを揺るがす出来事である。事実、直前にはCHAOSやJust 4Guys(J4G)もそれぞれ本隊へと吸収される形で(J4Gは継続)活動を終えており、ここ10年で最も激しい変動期にあることは間違いない。
そんな中で注目を集めるのは、LIJという“革命児たちの砦”から解き放たれたメンバーたちの今後の動向だ。なかでも高橋ヒロム、辻陽太、そして鷹木信悟という三者三様の個性を持つ男たちが、今後どのような道を選ぶのかは、新日本全体の方向性にも影響を与える重要なポイントとなる。
まず高橋ヒロム。ジュニアの枠を超えてプロレス界に旋風を巻き起こしてきた男は、LIJという枠の中で、その“狂気と自由”を存分に発揮してきた。だが、ユニットが解散した今、彼がどう動くかはまったくの未知数である。
新たなユニットの設立も現実味を帯びており、ヒロムならではの色彩と空気を持った“ヒロムワールド”を展開する可能性もある。ジュニアを再び中心に据える新機軸となるのか、あるいはヘビー級戦線へと本格参戦するのか――その一挙手一投足に注目が集まる。
【5.4福岡大会・第7試合後】
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) May 4, 2025
「L・I・Jは一区切りなのかもしれない。俺たちは制御不能を忘れない。またどこかで会おうぜ!」
辻が内藤、BUSHIへメッセージ!
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次に、ジーンブラスター辻陽太は、2023年の凱旋帰国以降、彼は爆発的な存在感を放ち、すぐにLIJの中核としての地位を築いた。だが、ユニットという後ろ盾がなくなった今、その存在価値が真に問われることになる。リーダーとして仲間を募るのか、
それともあえて孤高の道を選び、新日本のど真ん中を狙うのか。いずれにしても、これからの数か月は彼のキャリアにおける大きな分岐点となる。
そして、もう一人忘れてはならないのが、“制御不能なドラゴン”こと鷹木信悟である。LIJの中でも最も実力派として信頼されてきた彼は、IWGP世界ヘビー戴冠歴もあり、NEVER無差別級を中心にシングル・タッグの両面で実績を残してきた。プロレスにおけるストロングスタイルと熱量を併せ持つそのファイトスタイルは、どのユニットに属しても間違いなく柱となる存在だ。
そして見たいのが、やはり“鷹木、自らが旗を掲げること”ではないだろうか。ドラゴンゲートでのユニットリーダー経験もある彼には、仲間を引き連れ、新たなユニットを立ち上げるだけの資質とカリスマ性がある。
年齢的にもキャリア後半に差しかかる中、今こそ“鷹木イズム”を体現する集団を立ち上げる時かもしれない。
【新日本】6・15大阪大会でIWGP世界ヘビー戦 後藤洋央紀vsザック・セイバーJr.の勝者に鷹木信悟が挑戦|東スポWEB#njpwhttps://t.co/Mp8fOPYbtv
— 東スポ プロレス格闘技担当 (@tospo_battle) May 7, 2025
このように、LIJ解散後の三者――ヒロム、辻、鷹木の行動次第で、新日本プロレスの勢力地図は大きく変わる可能性を秘めている。それぞれが新ユニットを設立するのか、はたまた既存の勢力に新たな風を吹き込むのか。その決断には、彼ら自身の“覚悟”と“未来へのビジョン”が試される。
2025年、新日本プロレスは未曾有の変革期を迎えている。かつて見慣れたユニットの風景が音を立てて崩れ、選手一人ひとりの意思と選択が、これからの時代を作り上げていく。
果たして、彼らはどんな道を選ぶのか、”覚悟はいいか!”の言動に、これからも要注目だ!!