G1後楽園心中
勝負の世界に“絶対”は存在しない。だが、それでも「今年こそは」と誰もが願っていた。
新日本プロレスの夏の風物詩、G1 CLIMAXは今年35回目をむかえる。
石井智宏とタイチ――いずれも実力、人気、実績を兼ね備えた男たちが、今年もその大舞台から名前を落とすこととなった。
昨年に続く落選。ファンの落胆も大きいが、何より本人たちの無念は察するに余りある。
勝負の世界は非情だ。
正々堂々とやろうが、あるいはそうでなかろうが、最後に笑うのは勝者、泣くのは敗者。それがプロレスという世界の現実であり、宿命だ。
★セミファイナル
「G1 CLIMAX 35」Bブロック出場者決定戦
必殺のドリラキラーが炸裂!
モロニーが大激戦の末に石井を撃破し、
『G1』Bブロックにエントリー!※6.23『NEW JAPAN SOUL 2025』後楽園大会
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しかし、彼らは今、現IWGPタッグ王者である。タッグ王者という称号は、単なる二人組ではない。
数多の戦いを乗り越え、最強の連携を築き上げた者たちだけに与えられる証だ。
その王者たちが、シングルの大舞台・G1 CLIMAXにすら名を連ねることができないという事実に、あぁ、無常観がヤバい。
思い入れの深い後楽園ホール。その聖地で、夢破れる二人の姿は、まさに“後楽園心中”とでも言うべき哀しみを纏っていた。
石井は言わずと知れた“真っ向勝負”の化身だ。
正面から打ち合い、倒れてもなお立ち上がるその姿に、多くのファンが心を打たれてきた。
G1名勝負製造機と言っていい、生き様そのものでもあった。
そしてタイチ。かつては“ヒール”の仮面を被っていたが、いまや純粋に闘う男としての姿を確立した。
歌い、挑発し、煽りながらも誇り高くリングに立つタイチもまた、今大会の扉を叩くことすら許されなかった。
なぜこの二人が、G1という最高峰の祭典に立てなかったのか。
ドリラとカラムも日本のリングの訳だから、ファンの気持も分かっているだろう、その中で、相手を叩き潰して勝ち上がったのだから、懐かしのあっぱれだ。
それでも、それでも勝負に敗れても、プロレスの火を絶やさぬ限り、再び立ち上がる二人を思う、いや、石井はもう切り替えてるやもしれない、誰より悔しくとも。
タイチ「ガムシャラにやって、全力で行って、精一杯やって、でも2年連続届かなかった。でも、やれることはやったから、この結果に悔いはないっす。『G1 CLIMAX』は俺を必要としなかった。もはや俺は必要ないかもしれない。だけど諦めたわけじゃないからな」
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いつでもどこでも叫んでほしい「ふざけんなよ」と、俺達ファンも叫ぶから「ふざけんな、ろくなもんじゃねぇ」と。
魂の叫びは、やがて再び、いつかG1のリングへと届くと信じたい。
それでも、やっぱり、後楽園ホール G1出場者決定戦、あぁ無情・・・・