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木谷オーナーが話す2026年イッテンヨン45000人動員は目標ではなく厳命!?

棚橋弘至
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棚橋弘至引退試合はフルハウスは至上命令

2025年6月期決算において、ブシロードグループは大幅な増益を記録した。トレーディングカードや音楽、ゲーム、ライブなど、各事業ユニットが堅調に推移する中で、唯一、伸び悩んだのがスポーツユニットである。

具体的には、新日本プロレスとスターダムという、グループが誇る二大プロレスブランドが足踏み状態となったのである。

その現状を踏まえ、木谷高明オーナーは「新日本プロレスはいま、転換期にある」と語る。ここ数年、トップ選手の相次ぐ退団もあり、ファンの間には不安が広がっている。

しかし木谷オーナーは「もう少し見守っていただきたい」と前向きな姿勢を崩さない。

とはいえ、グループ内の他事業が絶好調なだけに、新日本プロレスが背負うプレッシャーはより重くなっている。そんな中、2026年1月4日に予定されている「棚橋弘至引退試合」は、まさに試金石となる大一番だ。

木谷オーナーは、この大会で東京ドームをフルハウスとし、45,000人規模の動員を実現することを「当面の目標」と表現している。

しかし、ファンには「目標」というよりも「厳命」として映っているのではないだろうか。

実際、2025年の「イッテンヨン」は約28,000人、「イッテンゴ」に至っては15,000人程度と、動員はかつての水準には遠く及ばなかった。

たとえ“逸材”棚橋弘至の引退試合であっても、それだけで45,000人という数字に届くとは考えにくいのが現実だ。

とはいえ、棚橋弘至という男が、新日本プロレス、ひいては日本プロレス界に与えた功績はあまりにも大きい。

2000年代初頭、経営危機と観客動員の低迷にあえいでいた新日本プロレスにおいて、まさに“暗黒期のエース”として会社を支え続け、のちに訪れるV字回復の立役者となったのが棚橋である。

ただし、彼がトップに立っていた“暗黒期”は、同時にファン母数の縮小をも意味する。ゆえに、彼の引退を目当てに動員される観客数には一定の限界があるだろう。

だからこそ、引退試合のカード編成には万全を期さなければならない。

対戦相手が誰になるかが極めて重要であり、さらには大会全体の目玉として、国内外の大物選手を招聘することも不可欠だ。

まず師匠格である藤波辰爾。レジェンドとしての存在感は群を抜いており、新日本プロレス創立メンバーとしても重要過ぎる存在だ。

さらに、かつて幾度となく死闘を繰り広げた“レインメーカー”オカダ・カズチカの名前も当然挙がる。

現在はAEWに所属しているが、ブシロードや新日本との関係性を考えれば、出場への障壁はほとんどないだろう。

加えて、棚橋との縁深き柴田勝頼の出場にも期待がかかるが、コンディションや医療的な判断により、日本での試合実現は難しいかもしれない。

そして、何よりも重要なのが、先ごろ新日本を退団した“制御不能なカリスマ”内藤哲也の存在である。

すでに退団しているだけに議論を呼ぶところではあるが、内藤の参戦は、ある意味で「絶対条件」といっても過言ではない気がする。

個人的な意見ではあるが、仮にWWEのスーパースターが出場するとしても、それ以上に見たいのは、内藤哲也との引退試合である。

内藤と棚橋の物語は、2000年代後半から2020年代初頭にかけて、新日本を象徴するものだった。それを締めくくる戦いは、多くのファンの心を震わせるだろう。

このような超豪華ラインナップを揃えたとしても、コロナ禍を経た現在の観客動員状況を考えると、45,000人という目標は非常に高いハードルだ。

しかし、それでも不可能とは言い切れない。レッスルマニアのように、長期的なプロモーション戦略を練り、あらゆる仕掛けを打ち出していけば、話題性は天井知らずに膨れ上がる。

新日本プロレスが「プロレスの祭典」としてのイッテンヨンを再び確立し、東京ドームを札止めにできるのか。その答えは、これからの約7か月間の動きにかかっている。

棚橋弘至という男の引退は、一時代の終焉であり、次の時代への幕開けでもある。この歴史的な大会を通じて、新日本プロレスが再び飛躍の一歩を踏み出せるのか、要注目!!