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【ガンダム ジークアクス】多元宇宙のサザビーデザインは何と!?

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赤い軌跡──シャアの系譜とモビルスーツたち

『ジークアクス』という作品が放つ魅力は、壮大な宇宙叙事詩だけにとどまらない。

その最大の特徴のひとつが、登場するモビルスーツ(MS)の選定と再構築にある。

新旧を問わず、歴代の機体たちが現代風にリデザインされ、独自の文脈と共に物語に息づいている。

そしてその中でも、やはり見る者の視線を奪ったのは、“赤い彗星”シャア・アズナブルが搭乗するモビルスーツ群であろう。

序盤から中盤にかけて登場するMS群もすでに只者ではない。

ザクと見せかけて何か違うそのシルエット、ギャンがハクジ仕様(白と銀の神聖さすら感じさせるカラースキーム)として登場し、旧世代機のブラウ・ブロが「キケロガ」という新たな名を与えられて躍動する姿には、明らかな意図が読み取れる。

かつての“型”はそのままに、魂は現代の戦場へと蘇っているのだ。

そして、注目すべきは最終話。

ほんの数秒だろうか、シュウジが話すララァが絶望し、多元宇宙が生まれるMSカットの中に、“赤い軌跡”を辿る機体が紹介されていく。

しかしだ、それらはシャアが過去に搭乗したモビルスーツは機体は一つしてない、いやラストのモビルスーツだけは、可能性がある・・・って、このMSは何なのだろうか!?

先ずは、グフなのだが、アニメ本編で搭乗した事実はないだけに、“もしシャアがグフを手にしたら”という夢を具現化しているように見えた。

2体目は、ザクで旧ザクでもない、記憶を辿ってヅダだと気付かされた(笑)

で、その後は、なぜここでセレクトされたのか謎のビグロに角付きビグザム(笑)

そして、MSVなのか、知名度低めなガルバルディα!

これもまた微妙な選択であり、劇中でシャア自身が乗ったわけではないが、ティターンズ所属の機体であり、“シャアという男がその時代に存在した”という空気感が、この機体にも宿っているのか?もしれない。

しかし、なんといってもラストのモビルスーツであり、一見、MA(モビルアーマー)的なシルエットを持ちつつも、なんと山下いくと版「サザビー」だった!

一般的に知られるサザビーの重厚さとはまた違い、人の手で動かせる兵器というより、“意志を持つ神”のような風格を漂わせている。

他にもジークアクスでは他にも“G-3ガンダム”が登場し、あの『BEYOND THE TIME』すら劇中のモチーフとして使われるなど、いわゆる“正史”や“if”の境界が非常に曖昧になっている。

だが、それが本作の良さでもある。ファースト、ゼータ、逆襲のシャア・・・すべての時間軸を内包しながら、それらを一つの大きな宇宙叙事詩として再構成しているのだ。

かつて「過去に囚われた男」と語られたシャア・アズナブル。

その魂は、時に反逆者として、時に英雄として、時に哀しき敗者として描かれてきた。

だが、ジークアクスが見せてくれたのは、その“存在”がいかに多くの戦場で、後の時代にまで影響を与えたかという、極めてメタ的な視点である。

MSのデザイン、登場順、時間配分、どれもが計算され尽くしているようで、それも未来への布石すら感じさせる。

ジークアクスがまだ語り切っていない「赤い彗星」の残響は、今なお宇宙(そら)を駆けているのだろう。