福山雅治ヒストリー
福山雅治が、およそ5年9か月ぶりとなるオリジナルアルバム『超新星』を発表しました。
その中で行われたのが、「2000〜2020年」という期間を限定した楽曲リクエスト投票されました。
ここが興味深いところです。
もし年代を限定しなければ、「IT’S ONLY LOVE」や「HELLO」、「HEART」といった90年代を代表する名曲が、どうしても上位に並ぶ可能性が高かったでしょう。
しかし、あえて20年間に区切ることで、ファンが”今だからこそ心に残る福山雅治”を選ぶ機会になった。そんな企画だったように思います。
福山雅治という人は、デビュー当初はシンガーソングライターとして注目され、その後は俳優、ラジオパーソナリティ、写真家と、多彩な活動を続けてきました。
ただ、不思議なのは、どれだけ活動の幅が広がっても、歌になると一貫して「人の心」を描き続けていることです。
恋愛だけではありません。
人生の迷い、別れ、家族、故郷、生きることへの問い。
年齢を重ねるごとに、その言葉は派手さではなく、静かな説得力を持つようになりました。
だからこそ、聴く人それぞれの人生が、その曲に重なっていくのでしょう。
今回発表された投票結果と私のベスト10を比べると、およそ半分は同じでした。
しかし残り半分は違います。
これは不思議なことではありません。
音楽というものは、「どの曲が一番優れているか」を決めるものではなく、「その時の自分に寄り添ってくれた曲」が、一番大切な一曲になるからです。
私が1位に選んだのは、「Beautiful life」。
この曲は、メロディーの美しさももちろんですが、何より歌詞が胸に響きます。
「今の自分を否定したい。」
「誰かを憎むことで、自分を保とうとしてしまう。」
そんな弱さを抱えた人に対して、それでも美しい誰かと出会えたなら、もう一度歩き出せるかもしれない――。
そんな希望を、決して押しつけることなく語りかけてくれる作品です。
2位の「ひまわり」。
この曲は静かな楽曲です。
決して派手ではありません。
けれど、夏の風景とともに、かつて出会った人や、別れてしまった人、あるいは旅立ってしまった人の姿を、自然と思い出させてくれます。
福山雅治の楽曲は、サビだけが印象的なのではありません。
Aメロから情景が浮かび、物語が始まる。
その世界へ、ゆっくりと聴き手を導いてくれるのです。
それは、彼自身が積み重ねてきた人生経験があるからこそ、生まれる表現なのかもしれません。
3位の「暁」。
冒頭の「波風ひとつ立たない人生なんてない」という言葉。
この一節だけで、多くの人が自分自身の人生を重ねるのではないでしょうか。
応援歌というと、勢いよく背中を押す曲を思い浮かべます。
しかし、この曲は違います。
迷いも、苦しみも認めたうえで、「それでも前へ進もう」と語りかけてくれる。
だからこそ、順風満帆な人よりも、悩みながら歩いている人ほど、この曲に励まされるのだと思います。
実は、この3曲は、私がお墓参りに行くときのプレイリストに入っています。
墓石を掃き、水を替え、静かに手を合わせる時間。
その中で流れる福山雅治の歌は、亡き人への報告でもあり、自分自身の心を整理する時間にもなっています。
4位の「最愛」。
この曲は、もともと女性アーティストへの提供曲としても知られています。
最後まで静かに、美しい旋律のまま流れていく一曲です。
私は、すべてが幸せに終わる恋愛ソングよりも、苦しみや後悔を抱えながら、それでも誰かを想い続ける歌に、より強く心を動かされます。
「夢のような人だから 夢のように消えるのです」。
この一節には、愛することの喜びだけでなく、失った人への後悔や切なさが凝縮されています。
福山雅治が描くラブソングの奥深さを象徴する作品だと思います。
そして、「明日の☆SHOW」。
タイトルからも、歌詞の「倒れたって何度でも立ち上がれ」という言葉からも、漫画『あしたのジョー』へのオマージュが感じられます。
何度倒されても立ち上がった矢吹丈の姿は、多くの人の記憶に残っています。
だからこそ、この曲がリクエスト投票で1位に選ばれたことにも、大きな意味があるのでしょう。
人生は、一度も倒れないことではありません。
何度倒れても、また歩き出すこと。
その姿勢を、この曲は教えてくれます。
「東京にもあったんだ」は、東京で生まれ育った私でさえ、不思議と懐かしさを覚える楽曲です。
失ったものというより、忙しい日々の中で、いつの間にか忘れてしまった風景を思い出させてくれる。
そんな温もりがあります。
そして「桜坂」。
これは、おそらく福山雅治の代表曲として最も広く知られる一曲でしょう。
春になり、坂道を歩くと、自然とあのメロディーが頭に浮かびます。
季節の風景と音楽が結び付く。
それこそが、名曲と呼ばれる理由なのだと思います。
1位・Beautiful life
2位・ひまわり
3位・暁
4位・最愛
5位・あの夏も海も空も
6位・少年 7位・東京にもあったんだ
8位・何度でも花が咲くように私を生きよう
9位・桜坂 10位・明日の☆SHOW
もちろん、今回選んだ10曲だけが特別というわけではありません。
「くすのき」「KISSして」「それがすべてさ」など、ほかにも数え切れないほどの名曲があります。
そして、幾つもあるアルバム購入時の特典の種類に、下記、ベストアルバムも発表されてます。
だからこそ、福山雅治というアーティストは、何十年経っても色あせないのでしょう。
歌は、その時代を映す鏡であり、人生を映す鏡でもあります。
福山雅治の楽曲には、その両方があります。
『超新星』という新たな作品を携え、これからも音楽だけでなく、俳優としても、一人の表現者としても、私たちの心に静かに寄り添う作品を届け続けてくれる――。
そんな期待を抱かせてくれる、日本を代表するアーティストの一人である福山雅治をこれからもずっと聴き続けていきます。


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